当専門外来では、各種人工聴覚器(人工内耳・人工中耳・骨固定型補聴器など)埋込術や、鼓膜形成術、鼓室形成術、アブミ骨手術といった耳科手術の適応となる患者さん、および難治性の中耳炎患者さんの診療を包括的に行っております。難聴・耳漏・耳痛といった耳症状は様々な病態により引き起こされますが、最新鋭の画像診断機器・各種検査による正確な病態把握の後に、各病態に合わせた最善の治療方針をご提案いたします。
当院受診には近医からの紹介状が必要です。初診の患者さんはまず午前中の一般外来を受診していただきます。その後、予想される病態に応じて必要と考えられる各種精密聴力検査やCT・MRIなどの画像検査を受けていただいた後に当専門外来を受診していただきます。
言語聴覚士:澤田 光毅
臨床検査技師:中井 佑希、大鹿 奈々
特発性両側性感音難聴(原因不明の両側性感音難聴)、遺伝性難聴、老人性難聴、慢性中耳炎、滲出性中耳炎、癒着性中耳炎、真珠腫性中耳炎、耳硬化症、鼓室硬化症、先天性真珠腫、耳小骨奇形、外耳道閉鎖症など
慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、難治性中耳炎(ANCA関連血管炎性中耳炎、好酸球性中耳炎、結核性中耳炎、コレステリン肉芽腫症)、中耳炎術後の慢性耳漏など
各種中耳炎・外耳炎の急性増悪期、外耳道がん
真珠腫性中耳炎は初期には無症状ですが、進行すると難聴・耳漏・めまいなどを引き起こします。比較的早期に発見できれば、二泊三日で耳内より内視鏡下に病変の切除が可能です。
耳硬化症は、ときに耳鳴およびめまいを伴い、通常はゆっくりと難聴が進行する疾患です。鼓膜所見は正常であるため、ときに診断が難しい疾患ですが、各種聴覚検査と高分解能CTにより診断が確定されれば、9割以上の高い確率で手術により聴力が改善します。
難聴が高度で、補聴器を装用しても十分なきこえの改善が得られない患者さんの多くでは、人工内耳埋込術が適応となります。人工内耳では術後のリハビリテーションも重要です。当科では専属の言語聴覚士が各患者さんに十分な時間をかけ、丁寧な人工内耳の調整を行っています。また、有用と考えられる患者さんに対しては、健康保険で両耳への人工内耳埋込術を行っています。
*中央手術室で行った耳科手術のみを計上しており、外来手術室で局所麻酔下に行った耳科手術は計上していません。